英語の「楽しさ」の質を見直そう──「楽しいだけ」で終わらせない、おうち英語の本当の価値

こんにちは。桐谷です。

お子さんと一緒に英語に取り組む日々の中で、
こんなことを意識されたことはありませんか?

「まずは楽しく。英語を嫌いにならなければそれでいい」
「遊び感覚でいいから、とにかく続けることが大事」
「楽しくやっていれば、そのうち話せるようになるはず」

この考え方、とてもよくわかります。
そして実際、英語=楽しい」という感覚を持つことは、とても大切な第一歩です。

でも、ここでそっと問いかけてみたくなるのです。

「その楽しさの中に、学びは育っているでしょうか?」
「英語の楽しさは、どんな力を子どもに残しているでしょうか?」


「楽しい英語」は、本当に英語力を育てているか?

今、日本には「楽しい英語教材」や「おうち英語遊び」がたくさんあります。

  • フラッシュカードゲーム
  • 英語の歌やアニメ
  • 単語を使った神経衰弱やすごろく
  • スタンプを集めるレッスンスタイル

子どもが笑顔で英語に向き合えるのは、たしかに嬉しいことです。
でも、楽しいだけで満足してしまうと──

  • 発話は増えない
  • 単語だけ覚えても、文にならない
  • 英語を「聞く」だけで「使う」経験がない

そんな「空回り」も、実は見えないところで起きているのです。


英語の楽しさには、「深さ」がある

すべての楽しい英語が悪いわけではありません。
大切なのは、その楽しさが

  • 子どもが考える力を引き出しているか
  • 自分で話したいと思うきっかけになっているか
  • 言葉を自分のものにする感覚につながっているか

つまり、「受け身の楽しさ」から、「参加する楽しさ」へと育っているかどうかが、ポイントなのです。


「表面的な楽しさ」と「本質的な楽しさ」の違い

表面的な楽しさ本質的な楽しさ
与えられたゲームで遊ぶ自分の意見を英語で言ってみる
音声を真似するだけ相手に伝わることの喜びを感じる
ご褒美のために続ける英語で通じたときの感動がある
暗記できた=成功表現できた=成長と感じる

「本質的な楽しさ」には、子ども自身の内側から湧き上がる喜びがあります。
それが、「英語を続けたい」と思える本当の原動力になります。


おうち英語で「楽しさの質」を高める3つのヒント

「答えのない会話」を楽しんでみる

“Which superhero do you like best?”
“If you could fly, where would you go?”
“What would you do if you were invisible?”

正解のない問いを通じて、英語を「考える言葉」として使う時間をつくりましょう。


親も「英語で話す楽しさ」を見せる

親が英語を完璧に話せなくても大丈夫。

“I like ice cream because it’s cold and sweet!”
“I feel sleepy today!”

英語を使って楽しんでいる姿こそが、最高の教材です。


「できた!」の瞬間を共有する

  • 子どもが初めてフルセンテンスを話した
  • 自分の気持ちを英語で言えた
  • 伝わった!という実感があった

その瞬間を大切に、「楽しかったね」「伝わったね」と一緒に味わってください。

英語は、通じる喜びの中でこそ、根づいていくものです。


最後に

「おうちでの英語の楽しさは、どんな力を育てているでしょうか?」
「この楽しさの先に、どんな未来を描いているでしょうか?」

英語は、遊びで終わらせるにはもったいない言葉です。
「楽しい」が、「伝えたい」につながるとき、英語は本物の力になっていくのです。