こんにちは。桐谷です。
最近、こんな言葉を耳にしたことはありませんか?
「今は翻訳機があるから、英語を話せなくても大丈夫なんじゃない?」
「AIが自動で通訳してくれるし…」
「将来、英語を学ばなくても困らない時代になるかも」
たしかに、技術の進化は目覚ましく、
スマートフォンひとつで瞬時に多言語翻訳ができる時代になりました。
AIによる同時通訳や音声認識は、日々驚くべき精度で進化しています。
では、本当に──
人が「英語を話す」必要はなくなっていくのでしょうか?
そして、これからの子どもたちは、英語を学ばなくてもいいのでしょうか?
今日は、この問いに向き合い考えてみたいと思います。
話せる英語”と“伝わる英語”のちがい、そして“自分の言葉で語る力”の価値とは何か。
ご一緒に、考えてみませんか。
英語が話せなくても通じる時代は、もう来ている
Google翻訳、DeepL、AI同時通訳、リアルタイム音声翻訳デバイス…。
いま、技術の進化は目覚ましく、、
かつて「夢のよう」と言われた言語の壁を超える時代は、すでに始まっています。
実際、観光地や国際的なビジネスの現場では、
翻訳アプリに頼ったコミュニケーションが、ごく普通の風景になってきました。
「英語が話せなくても、もう困らない」
そんな時代が、確かに始まっているのかもしれません。
でも、ここであえて立ち止まり、考えてみたいのです。
英語を「通訳してもらう人」と、「自分の言葉で語る人」
これからの時代に、どちらが求められるのでしょうか?
どちらが、より相手と深くつながり、
信頼を築き、自分の価値を伝えられると思いますか?
言葉は、ただ情報を伝えるためだけの道具ではありません。
その人の思考や感情、人柄までも伝える生きた表現です。
だからこそ、
「通じる」ではなく、「伝わる」ことが、これからの時代の鍵になっていくのです。
言葉は、ただ伝えるものではなく、「考える力」を支える存在
AI翻訳が優れているのは、
意味を正確に変換する能力です。
でも、これからの時代を生きる子どもたちに本当に必要なのは
「自分はどう思っているのか」
「なぜそう考えたのか」
「その考えを、どう相手に届けるか」
といった、思考と表現の土台としての言葉なのです。
英語は、ただの「情報の変換装置」ではありません。
自分の考えを世界に向けて発信する手段であり、
対話の中で相手と関係を築くための、繊細なコミュニケーション技術です。
「英語が不要になる時代」ではなく、「本物の英語力が求められる時代」へ
むしろ「本物の英語力が求められる時代」へ
AIが正確でスムーズな翻訳をしてくれる今だからこそ、
人間にしかできないことが、はっきりと浮き彫りになってきています。
- 感情をのせた、体温のある言葉
- 相手の背景や文脈をくんだ対話力
- あえて不完全でも、「自分の言葉で伝えよう」とする姿勢
これらはすべて、AIには置き換えられない
人間らしさの宿る英語力です。
どれほど便利な技術が登場しても、
それをどう使いこなし、
その先にいる「人」と、どう信頼関係を築くか。
そこに価値を生み出せる人が、
これからの社会で必要とされていくのです。
「自分の言葉で話せる子」に育てるために、家庭の中でできること
AIには決して代替できない、人間らしい英語力。
それは、特別な教材やネイティブ環境ではなく、
実は、日々の暮らしの中の対話や関わりの中でこそ、ゆっくりと育まれていきます。
ここでは、今日からできる3つのヒントをご紹介します。
どれも、英語力以上に、伝える力や考える力を伸ばす、小さな種まきです。
子どもの「気持ち」に名前をつける
たとえば──
“You look happy. What happened?”
“That’s frustrating, isn’t it?”
“Are you feeling nervous?”
感情を言葉にすることは、
自分の中にあるものを外に表す最初のステップ。
どんな感情も、名前をつけられた瞬間に、安心と理解が生まれます。
これはまさに、「自分を伝える英語」の入り口になる大切な力です。
「自分の考え」を言うことを日常化する
たとえば──
“I think…”
“In my opinion…”
“I believe…”
はじめは、たどたどしい単語だけでも大丈夫。
大切なのは、「自分はどう思うか」を持つことを、日常にすること。
その積み重ねが、「AIに任せない、自分の言葉」を育てる土壌になります。
AIとの違いを子ども自身に考えさせてみる
たとえば──
「AIと人間の言葉、どこが違うと思う?」
「AIが全部訳してくれるとしたら、英語はもういらないと思う?」
正解を教えるのではなく、一緒に考える時間を持つことが大切です。
子どもが自分で問いを立て、答えを探しはじめるとき──
それは、「なぜ学ぶのか」が他人事ではなくなり、
言葉を持つことが、生きる力そのものへと変わっていく瞬間です。
最後に
英語を翻訳してもらう子ではなく、
自分の言葉で、感じたこと・考えたことを語れる子に育てたい。
そう願う私たちは今、
何を選び、
どんな力を、日々そっと育てているのでしょうか?
どれだけAIが発達しても、
心が動いた瞬間を、自分の言葉で伝える力は、誰にも代わってもらえません。
感情をのせて語ること、
相手の気持ちを想像しながら対話すること、
自分の考えに責任を持って、世界と向き合うこと──
それは、どんな翻訳アプリにもできない、
人間だけに与えられた、かけがえのない力です。
そして、その力を、親である私たちの手で
日々の暮らしの中から育てていけることこそが、
おうち英語の、何よりの価値なのではないでしょうか。