こんにちは。桐谷です。
「英語は勉強するもの」から、「英語で考え、伝える力を育てるもの」へ――。
暗記中心の学習では身につかない実践型の英語力を、家庭の中で楽しく育ててみませんか?
今回は、中高生が夢中になれる7つの英語ミニゲームを紹介します。
すべて思考力やスピーキング力を自然に伸ばせる内容で、英語に苦手意識があるお子さんでも安心して取り組めるものばかり。
特別な教材は不要、今日から始められるアクティビティを、ぜひご家庭で実践してみてください。
英語教室でのミニゲームとしても活用いただけると思います。
1. 5W1H即興ストーリー
目的: 英作文力・創造力・即興力の強化
やり方:
①6枚のカードに「Who / What / Where / When / Why / How」のカテゴリを設定。
②各カテゴリごとに単語やフレーズが書かれた紙を準備。
③ランダムに1枚ずつ引いて、それを元に1分以内で英語のミニストーリーを話す。
例:
Who: a dog / What: wins a race / Where: in space / When: yesterday / Why: for fun / How: with a rocket
➡ “Yesterday, a dog won a race in space for fun using a rocket!”
与えられた条件の中で瞬時にストーリーを構築する経験は、英語力だけでなく「発想力」と「論理的なつながりを作る力」の両方を育ててくれます。話し終えた後に「なぜそう話したの?」と理由を尋ねることで、思考の深掘りにもつながります。組み合わせがユニークになるほど、笑いと発想が広がりますよ!
2. “Yes, and…”ゲーム(即興英会話)
目的: 会話力・発展力・柔軟な発想
やり方:
①最初の人が自由な英語文を言う。
②次の人は必ず”Yes, and…”で受け止めて、話を続ける。
例:
A: I saw a giant robot in the park.
B: Yes, and it was dancing with a cat!
C: Yes, and they were filming a music video!
このゲームの本質は「相手の意見を受け入れ、創造的に発展させる力」にあります。
ディスカッションやプレゼンテーションにおいても求められるスキルであり、チームでの会話の土台を築く練習としても効果的です。英語の間違いは気にせずに。
「つなぐ力」「広げる力」が自然と育めます。
3. 「もしもBox」英語版
目的: 仮定法・想像力・自己表現のトレーニング
やり方:
①「もしも〜だったら?」の英語質問カードを作って箱に入れる。
②1人ずつ引いて、英語で答える。
例:
If you could talk to animals, what would you say?
仮定の問いに答えることで、現実とは異なる視点から物事を考える力が育ちます。自由な発想とともに、文法(仮定法)も自然と定着するため、楽しみながら「考える英語力」を身につける絶好の機会になります。自分の世界を英語で表現する「英語の思考」が育てられます!
4. フォト・ディスカッション(英語版SHOW & TELL)
目的: 描写力・感性・意見表現の練習
やり方:
①写真やイラストを1枚見せる。
②「What’s happening?」「What do you think?」などの質問に英語で答える。
例:
(人が川を渡っている写真)
→ “I think they are escaping from something… maybe a flood.”
目に見える情報をもとに言語化する練習は、英語での「観察 → 考察 → 発信」の流れをつくるトレーニングになります。また、同じ画像から異なる解釈が生まれることで、多様な意見を尊重する姿勢や対話力も同時に育まれます。 想像力や背景理解も自然に深まり、発話の質を向上させることが出来ます。
5. アウトライン作文ゲーム(Essay Skeleton)
目的: 論理構成力・主張と理由の練習
やり方:
①テーマに対して、構成を「主張 → 理由 → 具体例 → 結論」で考える。
(Topic, Claim, Reason, Example, Conclusion カードを用意すると分かりやすいです)
②話しながら、または書きながら作文へと発展させる。
例:
Topic: Should students wear school uniforms?
Claim: Yes.
Reason: It helps students focus.
Example: My school banned uniforms for a year, and students were distracted.
Conclusion: Uniforms create a better learning environment.
英語の論理的な文章構成を体感的に学べるこのゲームは、試験対策としても効果的です。
「意見を述べ、それを根拠づけ、説得する」という流れを自然に身につけられるため、スピーキング試験やライティング課題に強くなります。エッセイやスピーチの基本を遊び感覚で学べるので、中高生のお子さんがいるご家庭では、ぜひやってほしいゲームです。
6. エシカルジレンマ・ディスカッション
目的: 批判的思考・価値観の共有・ディベート力
やり方:
モラルやジレンマを含む問いを出し、YES or NOの立場で話し合う。
例:
“If your best friend was cheating on a test, would you tell the teacher?”
こうしたジレンマの問いは、単なる英語表現力だけでなく、価値観の整理や他者との意見の違いを尊重する態度にもつながります。自分の立場を明確にし、理由を添えて説明する練習は、将来の議論や面接にも役立つ大切な思考トレーニングです。 正解がない問いに、自分の意見を持ち、それを言語化する力を育める、大人も考えさせられるゲームです。
7. 英語レビューごっこ(家の中のもの)
目的: 実用英語・説明力・評価表現
やり方:
家の中の物(本、文房具、ガジェットなど)を1つ選び、1分間英語でレビュー発表する。
例: “This water bottle is lightweight and keeps my drink cold for 8 hours. I recommend it!”
補足: 身近な物をテーマにすることで、英語が生活に直結している感覚を持てるようになります。実際のレビュー動画を真似して構成や表現を工夫することで、実用的な語彙やフレーズも身につき、自信を持って「使える英語」を話す習慣づくりにつながります。 YouTubeやSNS風にやってみても良いですね!
最後に
英語を「使う場」がある家庭には、言葉が生きる実感があります。
テストの点数では測れない力、思考する力、自分の意見を言葉にする力、相手と違う意見を受け止める力。それこそが、これからの時代を生きる子どもたちに必要な英語力だと思うのです。
今回ご紹介した7つのミニゲームは、どれも今日からすぐに始められるものばかり。
何かを「教え込む」必要はありません。
ただ、子どもが英語で考え、話し、笑う瞬間に、そっと伴走するだけでいいのです。
英語が暗記科目から自己表現のツールに変わるとき、子どもの言葉は一気に自由になります。
その一歩は、きっと家庭から始められるはず。
今日ひとつ、ご家庭でどれかを試してみませんか?
その時間こそが、未来を変える「言葉の体験」になるかもしれません。