こんにちは。桐谷です。
おうち英語が広まり、英語学習が日常の一部となった今、
ふと、こんな風に考えることはありませんか?
「おうち英語、英会話塾だけで、グローバルな社会に通用するの?」
「英語はある程度話せるようになったけど、それだけで十分なの?」
「この子の未来に、本当に必要な力ってなんだろう?」
英語は確かに重要です。
英語は世界とつながる共通語であり、自己表現の手段になるからです。
けれども、それは「未来を生き抜く力」の一側面に過ぎないということに、
保護者の皆さまも、なにより長期間英語を学んできたご本人も、既に気づいているのではないでしょうか。
今回は、「おうち英語の限界」と「その先に育むべき力」について、少し厳しいかもしれないお話をします。子どもたちの未来を想いながら、一緒に考えてみてください。
英語は「手段」にすぎない──その本質に気づいていますか?
おうち英語を続けていくと、
「英語が話せること」そのものがゴールになってしまうことがあります。
けれど、あらためて考えてみると、
「英語が話せるだけ」の人を、世界は求めているでしょうか?
それとも、「英語を使って何ができるか」が問われているのでしょうか?
これまで信じてきたことが崩壊するような矛盾や疑問が沸き上がってきます。
今や、AIが通訳をし、翻訳アプリが瞬時に言葉を変換してくれる時代です。
そんな中で、私たちが本当に育てたいと思ってきていたのは、
「自分の考えを英語で伝え、相手と信頼関係を築ける子」
「未知の環境でも、学び続けられる柔軟なマインドを持つ子」
つまり、英語を「使う人間」としての力なのです。
グローバル社会で求められるのは、どんな子どもか
今、世界の教育現場では、「英語力」だけではなく、
以下のようなスキルが重視され始めています。
海外の大学や企業では、 「あなたは何を考えているか?」 「それをどう説明するか?」という能力が問われます。 https://t.co/SB0Eg7f2mA
— Kiri (@japan_eigo) April 1, 2025
- Critical Thinking(批判的思考)
- Communication(対話力)
- Collaboration(協働力)
- Cultural Awareness(多文化理解)
たとえば、海外の大学や企業では、
「あなたは何を考えているか?」「それをどう説明するか?」が問われます。
英語が「できる」子ではなく、英語で何を語れるかが評価される時代。
日本国内だけに目を向けていると、もしかすると、
その変化に気づくことは難しいかもしれません。
「使える英語」を育てるために親ができる3つの工夫
① 英語を「問いかけの道具」にする
英語のフレーズをただ覚えるだけでは、使える力にはなりません。
大切なのは、「英語で問いを立て、自分の考えを引き出す」という使い方を日常に取り入れることです。
やっと手が離れたと思った子どもに対して、毎日実践していくことはなかなか大変ですが、
たとえば、何気ない会話の中で、こんな問いかけはいかがでしょうか。
“Why do you think that…?”
“What would you do if…”
“How do you feel about it…?”
こうした質問は、単なる会話の練習ではなく、子どもの思考を深め、言葉にする力を育てるトリガーになります。
英語を「正しく話すもの」から、「考えるための道具」へと捉え直すこと。
その視点が、受け身の英語学習から抜け出す大きな一歩になります。
🔗Xアカウントで毎日1つずつ、子供たちへの問いかけ英語を発信しています
② 多様性の中で「違いを理解する力」を育てる
英語は「世界の共通語」と言われますが、それだけで心が通じ合うわけではありません。
言葉が通じても、文化や価値観が違えば、すれ違いや誤解は起こります。
だからこそ、英語を学ぶと同時に育てていきたいのが、「違いを受け入れ、理解しようとする力」です。
- 他者との意見の違いをどう受け止めるか
- 背景の異なる人とどう信頼関係を築くか
- 正解が一つではない世界でどう対話するか
こうした姿勢は、学校のテストでは測れないけれど、グローバル社会で最も大切な「生きる力」のひとつです。
おうち英語の中に、多文化理解や相手を尊重する対話の視点を少しずつ取り入れていくことが、子どもたちの未来を確かなものにしてくれるのです。
③ 正解を求めず、「問いを持ち続ける子」に育てる
「英語が得意」であることよりも、
「英語を使って、自分の頭で考え続けられる子」であることの方が、これからの時代にははるかに価値があります。
そのために育てたいのは、このような力です。
- 知らないことに出会ったときに「調べてみよう」と思える力
- 自分と異なる価値観に対して「どうしてだろう」と考える習慣
- 学びの面白さを自分で感じ取る感性
これらは、単に英語を話すスキルとは違い、一生を通じて自分の世界を広げてくれる力です。
正解のある問いに答えるのではなく、
自分なりの問いを持ち、言葉にし、対話できる子に育てること。
それこそが、「おうち英語のその先」に目指せる、本当の価値なのではないでしょうか。
「バイリンガル教育=正解」ではない時代
近年、日本でもインターナショナルスクールや英語保育が注目され、
「バイリンガルで育てること」が、あたかも教育の成功例として語られることが増えてきましが、果たして、
「英語が流暢であること」と「世界で活躍できること」は、本当にイコールでしょうか?
海外に暮らしていても、異文化への理解や共感に欠ける人もいます。
一方で、日本にいながらも、世界の出来事に関心を持ち、自分の考えを言葉にできる子どももいます。
大切なのは、「どこで育つか」ではなく、「どんな視点で世界を見て、どう関わっていくか」ということ。
英語を話せる=国際的、というシンプルな図式に安心しすぎず、
「語学の先にある本質的な学び」に目を向ける時が来ているのかもしれません。
最後に──今こそ、世界とつながる子育てを
おうち英語は、未来への扉を開く素晴らしい一歩です。
けれど、それだけではまだ足りません。
その先に育てていきたいのは、
- 英語で「自分の想い」を語る力
- 文化や価値観の違いを越えて「他者とつながる力」
- 変化の中でも柔軟に学び続ける「生きる力」
こうした力があって初めて、英語は使える言葉となり、
子どもたちは世界と本当に通じ合える人へと育っていきます。
英語教育を、単なる「語学習得」にとどめず、
世界と向き合う人間力を育てる子育てへ。
そしてそれは、特別な環境や教材ではなく、
「おうち」だからこそ始められる、日々の小さな関わりから育っていくのです。
未来の対話者を育てるのは、他の誰でもない、
あなたです。